耳萌え仲間である夕陽屋さんの夕希さんよりいただいた、にゃんこ兄弟です。
caramel daysの仲直りキャラメルが、チョコパイCMがネタと見抜かれました(笑)。それに基づいて描いてくださったものとのことv
そういえば、夕希さんの短髪ルークの猫耳ははじめて見たような気が。
つか、むちゃくちゃ可愛いんですが!このルーク’S!
可愛い耳っこ達をありがとうございます〜。



扉の開く小さな音にルーシュはピンと三角形の耳を立てると、鋭い視線を戸口へと向けた。
しかしそこにいたのはルーシュが想像していた相手ではなく、顔の半分もありそうな大きな目を丸くしたルークだった。

「ルーシュ」

ぱたぱたと小さな足音をたてて走り寄ってきた小さな弟に、だがルーシュは笑い返すことが出来なかった。立てていた耳もへたりと垂れ、唇もぎゅっときつく引き結ばれたまま。
だがルークはそんなルーシュの横にちょこんと座り込むと、ごそごそとポケットの中を探って小さな包みを二つ引っ張り出した。

「一緒に食べよ」

ほわわんと可愛らしい笑みを浮かべてさしだされた包みをルーシュが受け取ると、ルークはいそいそと自分の包みを開けようとした。しかし、なかなか袋をあけられない。
もたもたと袋と戦っているルークにため息をひとつつくと、ルーシュは自分の包みを開いてルーク渡し、代わりにルークの手にあった包みを取りあげた。
ルークは渡された袋をキョトンと見つめていたが、すぐに「ありがとー」と笑顔になった。
袋の中身は、ルークとルーシュのお気に入りであるチョコパイだった。早速嬉しそうにかぶりつくルークを横目で見ながら、ルーシュももそもそと口をつける。
ふんわりと甘いチョコレートの匂いと、ふかふかのスポンジ。そしてちょっと不思議な食感のクリーム。喉が詰まるような感情でいっぱいになっていた胸の中に、甘い欠片が落ちてゆく。

「……これ、どうしたんだよ」

ぱたりと尻尾を一振りさせてから、ルーシュはぼそりと呟くようにしてルークに尋ねた。でも本当は、これを誰がルークに渡したのかなんて見当が付いている。

「アッシュが一緒に食べなさいって。なあルーシュ。アッシュと仲直りする?」

こてんと小鳥のように首を傾げたルークの、緑色の瞳がじっと何かを期待するように見上げてくる。

ずるいな、と思う。

いつだって拗れた喧嘩の後は、アッシュはルークを間において謝ってくる。
自分で謝りにこいと憤慨する気持ちがないわけではないが、実のところ直接顔をあわせればもっと拗れるだろうということはルーシュにも分かっている。
だから、ずるいのは自分もおなじなのかもしれない。
甘い甘いチョコレートパイをもう一口囓りながら、ルーシュはそんなことを思っていた。