いつか君に
「魚が空を泳いでいる!」
純粋な驚きの声とともにぱたりと振られたしっぽに、少し離れた場所で本を広げていたアッシュは深い溜め息をひとつ付いた。
「なんだよ」
そのため息の音を拾いあげた大きな白い耳がぴくりと動くと、不機嫌そうな新緑色の瞳がこちらをふり返った。
「あれは魚なんかじゃねえよ」
「えー、だって魚の形をしてるじゃねえか」
白い大きな耳に長い白いしっぽ。それ以外はやや幼い雰囲気はあるがアッシュと全く同じ顔と姿をした少年は、不服そうに小さく唇をとがらせた。
「それよりもルーク。俺は大人しくしていろと言ったはずだが?」
「だから大人しくしてるじゃねーか」
ルークと呼ばれた大きな猫の耳としっぽを生やした少年は、大きく伸びをすると、ごろりと腹ばいになってアッシュの方を見上げた。
「俺はおまえが大人しくしていると言うから、付き合ってやっただけだ。約束が守れないなら戻るぞ」
「わーっ!待てよ行くなよ!大人しくしているから」
わたわたと慌ててルークは飛び起きると、まるで弾むような足取りでアッシュの方にやってきた。
「だったら、そこで大人しくしていろ」
アッシュは指で自分の隣を示すと、また本のページへと視線を戻した。
ルークは渋々とアッシュの隣にちょこんと腰をおろすと、ゆらゆらとしっぽを振った。
「なー、アッシュ」
「なんだ」
「せっかく天気が良いんだから、こんなところに来てまで本なんか読むなよ」
「俺がどこで何をしようと、俺の勝手だ」
ぱらり、とまたページが捲られる。
「でも、こんなところでまで本を読むことはねえだろ」
「おまえがどうしても付き合って欲しいと駄々をこねたからつきあってやっているんだが?」
「う……」
たしかに自室で本を読んでいたアッシュを強引に誘ったのは、たしかに自分だ。だが、場所が場所だけに承知してくれたときは、てっきり一緒に遊んでくるものだと思っていたのに。
綺麗に晴れ渡った青い空を天井に持つその場所は、二人の部屋のある離れの屋根の上だった。
アッシュとルークは、一応双子の兄弟という事になっている。
だが、二人の外見はそっくりでありながら決定的な違いがあった。
弟であるルークには、生まれつき大きな猫のような耳と長いしっぽが備わっている。それはこの世界ではとても珍しい、神の印を受けた子供である証でもあった。
神の印を受ける子供は、体のどこかに人間以外の生き物の一部を宿すことになる。それはルークのような耳としっぽであったり、腕や足であったりする。
それ以外は全く普通の人間と外観は変わらず、そうしようと思えば普通の人間体へ変化することも可能だった。だが特に隠すことでもないので、見た目が大きく変わるもの以外はそのままの姿でいることが多い。
神の印を受けた子供はその能力に大小の差はあれども、植物や生命に影響をあたえる力をかならず持っている。一番代表的なのは、緑の指と呼ばれる植物に触れただけでその生長を促す能力だが、それ以外にも個人差はあれども星の再生能力にかかわる力をそれぞれに宿している。
そして、それはルークも例外ではなかった。
しかし、こうやって本当の猫のようにごろごろと屋根に寝転がっている姿を見ていると、とてもそんな特別な人間のように見えない。
もっとも、二人ともこの国の王族の一員でもあるので、そう言う意味でも特別な人間と言えなくもないのだが、ルークには果てしなくそういう自覚が欠けていた。
「なあなあ。あれは魚じゃねえって言うけど、だったらなんなんだ?」
しばらくの間はアッシュの隣で大人しくしていたルークだったが、すぐにまた退屈の虫が騒ぎ出したのか、ぱたぱたとしっぽを振りながらアッシュの顔を覗き込んできた。
「……あれは鯉のぼりという、ホドの子供の祝い事のひとつだ。男子が様々な困難に打ち勝って大成する立身出世の象徴として飾られる」
「ふーん…って、ウチでは飾らないのか?」
「ホド流だって言っただろうが。父上はあまりマルクトの流儀がお好きではないからな」
「へー、ホドってマルクトの領土なんだ」
素直に感心した声をあげたルークに、ぴくりとアッシュの眉が片方だけ跳ねあがる。
「んなこたあ常識だろうが。というか、ガイの奴がホドの出身だろうがっ!」
「あれ?そうだったっけ……?」
えへへ、と笑いながらこりこりと頬を掻くルークに、アッシュの眉間の皺がさらに深くなる。
「……明日の勉強時間は一時間増やす」
「えーっ!」
「るせえっ!ちょっとはまともに勉強しろっ!」
怒声と共に拳骨をはられて、ルークは頭を抱えたままちいさく呻いた。
「だって、地理の勉強なんていらねえじゃねえか」
「一般常識だ」
「だって俺、この屋敷から出られないのに国の位置なんか覚えたってしかたねーじゃねえか」
ぼそりと呟かれたルークの言葉に、アッシュはかすかに目を細めた。
「……それでも、いつかは役に立つんだから覚えておけ」
「んだよ、アッシュもガイもいつもそればっかりだ」
つまんねーの、とルークは大きくしっぽを振ると屋根の上に危なげなく立ち上がった。そしてそのまま屋根の端まで軽い足音をたてて走ってゆくと、ルークは本物の猫さながらに身軽にそこから飛び降りて行ってしまった。
アッシュは視界からルークの上着の長い裾が消えるのを見送ると、先ほどよりも重い溜め息をひとつ漏らして膝の上に広げていた本を閉じた。
アッシュとルークは表向き兄弟として暮らしているが、本当は少し違う。
ルークはアッシュの遺伝情報を元に作られた、人工生命体──レプリカなのだ。
自分がアッシュのレプリカであることは、ルークも知っている。だが、自分が作られた目的については、ルークは本当のことを知らない。
アッシュは、生まれながらに神の印を持たない異能者だった。
超振動と言われるその力は破壊力に秀でた力で、強力な兵器として丁重に扱われると同時に、その力の暴走を恐れられてもいた。
その不安はアッシュが長じてさらに力が巨大になるにつれ増大し、ついには万が一力が暴走した場合のストッパーの必要性を、王国の重臣たちに促すほどになっていた。
そして作られたのが、ルークだった。
アッシュの遺伝子情報を元にして作られたルークは、劣化してはいたがアッシュと同じ力を持ち、かつ、神の印を宿した能力者でもあった。
表向きには、ルークのことはアッシュの双子の弟で、体が弱いために今までその存在を公表していなかったとされている。
アッシュには、ルークはいざという時の影武者であると告げられていたが、もちろんそれが嘘であることを彼はすでに知っている。
はじめはもちろん、勝手に作られた自分のレプリカなどすぐに壊してしまおうと思っていたのだが、すぐに気が変わった。
生まれたばかりのレプリカの、幼い子供のような天真爛漫さと素直さに毒気を抜かれたと同時に、理不尽に生み出されたその命が哀れに思えたのだ。
自分を殺すために作られた子供を愛しいと思うのは、なかなかに倒錯的な思いだった。
しかし側にいればいるほど愛しさはつのり、無邪気に懐いてくるその姿に、強い庇護欲をかき立てられるばかりで。
いつの間にか、誰よりも大切な半身として自分の心の中に住み着いてしまった彼を、救いたいと強く思うようになっていた。
いざというときの切り札として、ルークは外に出ることを許されず屋敷の中だけで育てられている。
表向きには体が弱いことになっているので屋敷から出されないことは奇異には思われておらず、またルーク自身にも作られたときの刷り込みで、外に出ない事への疑問を感じさせないように仕向けられている。
だからアッシュはいま、ひそかに自分の牙を研ぎ澄ませることに専念している。
すべてのものからルークを攫ってゆくためには、わずかな時間でも惜しい。
「それで逃げられていては、元も子もないんだがな……」
先ほどまで読みかけていた本の表紙を軽く叩きながら、アッシュは小さく唇の端を歪めた。
ルークがいなければ屋根の上などに、用事はない。しばらくは拗ねているだろうから、一度部屋に戻ってから探しに行くかなどと次の行動を頭に描いていたアッシュは、屋根の下から自分を呼ぶ声に気がついて下を覗き込んだ。
屋根の下では、白い大きな耳と朱色のコントラストが鮮やかなルークと、白金色の彼よりも年かさの青年がそろってこちらを見上げていた。
「アッシュっ、早く下りてこいよ!ガイが『こどもの日』のお菓子を作ってくれたって!」
先ほどまでむくれていたはずの猫が、ころりと機嫌を直してぱたぱたと嬉しそうにしっぽを振っている。
その横で、ガイが苦笑しながらもそんなルークが可愛くて仕方がないと言った顔で、目を細めている。
「早く来ないと先に食っちまうぞ」
小さく舌を出してぱたぱたと駆けてゆくルークに、こちらを苦笑しながら一度見上げたガイが後に続く。その口が、早く降りてこいと声もなく動くのを見て、アッシュはかすかに唇のはしに笑みを刻んだ。
そんなことを言いながらも、自分が行かなければルークは決して手をつけないのだ。
アッシュは屋根の上から飛び降りるために足場を確認しながら、ふと屋根から見えるいくつかの鯉のぼりに目をとめた。
本物の魚を見たことのないルークにとって、空を泳ぐのぼりも絵の中の魚もさして変わらない存在なのかもしれない。
世界を知らない小さな猫に、いつか本物の世界を見せてやりたい。
ひらひらと風に舞う空の魚を見つめながら、アッシュはそうあらためて誓った。
END
(07/06/12)
ネコミミなんだけど、なんか違う。
純粋な驚きの声とともにぱたりと振られたしっぽに、少し離れた場所で本を広げていたアッシュは深い溜め息をひとつ付いた。
「なんだよ」
そのため息の音を拾いあげた大きな白い耳がぴくりと動くと、不機嫌そうな新緑色の瞳がこちらをふり返った。
「あれは魚なんかじゃねえよ」
「えー、だって魚の形をしてるじゃねえか」
白い大きな耳に長い白いしっぽ。それ以外はやや幼い雰囲気はあるがアッシュと全く同じ顔と姿をした少年は、不服そうに小さく唇をとがらせた。
「それよりもルーク。俺は大人しくしていろと言ったはずだが?」
「だから大人しくしてるじゃねーか」
ルークと呼ばれた大きな猫の耳としっぽを生やした少年は、大きく伸びをすると、ごろりと腹ばいになってアッシュの方を見上げた。
「俺はおまえが大人しくしていると言うから、付き合ってやっただけだ。約束が守れないなら戻るぞ」
「わーっ!待てよ行くなよ!大人しくしているから」
わたわたと慌ててルークは飛び起きると、まるで弾むような足取りでアッシュの方にやってきた。
「だったら、そこで大人しくしていろ」
アッシュは指で自分の隣を示すと、また本のページへと視線を戻した。
ルークは渋々とアッシュの隣にちょこんと腰をおろすと、ゆらゆらとしっぽを振った。
「なー、アッシュ」
「なんだ」
「せっかく天気が良いんだから、こんなところに来てまで本なんか読むなよ」
「俺がどこで何をしようと、俺の勝手だ」
ぱらり、とまたページが捲られる。
「でも、こんなところでまで本を読むことはねえだろ」
「おまえがどうしても付き合って欲しいと駄々をこねたからつきあってやっているんだが?」
「う……」
たしかに自室で本を読んでいたアッシュを強引に誘ったのは、たしかに自分だ。だが、場所が場所だけに承知してくれたときは、てっきり一緒に遊んでくるものだと思っていたのに。
綺麗に晴れ渡った青い空を天井に持つその場所は、二人の部屋のある離れの屋根の上だった。
アッシュとルークは、一応双子の兄弟という事になっている。
だが、二人の外見はそっくりでありながら決定的な違いがあった。
弟であるルークには、生まれつき大きな猫のような耳と長いしっぽが備わっている。それはこの世界ではとても珍しい、神の印を受けた子供である証でもあった。
神の印を受ける子供は、体のどこかに人間以外の生き物の一部を宿すことになる。それはルークのような耳としっぽであったり、腕や足であったりする。
それ以外は全く普通の人間と外観は変わらず、そうしようと思えば普通の人間体へ変化することも可能だった。だが特に隠すことでもないので、見た目が大きく変わるもの以外はそのままの姿でいることが多い。
神の印を受けた子供はその能力に大小の差はあれども、植物や生命に影響をあたえる力をかならず持っている。一番代表的なのは、緑の指と呼ばれる植物に触れただけでその生長を促す能力だが、それ以外にも個人差はあれども星の再生能力にかかわる力をそれぞれに宿している。
そして、それはルークも例外ではなかった。
しかし、こうやって本当の猫のようにごろごろと屋根に寝転がっている姿を見ていると、とてもそんな特別な人間のように見えない。
もっとも、二人ともこの国の王族の一員でもあるので、そう言う意味でも特別な人間と言えなくもないのだが、ルークには果てしなくそういう自覚が欠けていた。
「なあなあ。あれは魚じゃねえって言うけど、だったらなんなんだ?」
しばらくの間はアッシュの隣で大人しくしていたルークだったが、すぐにまた退屈の虫が騒ぎ出したのか、ぱたぱたとしっぽを振りながらアッシュの顔を覗き込んできた。
「……あれは鯉のぼりという、ホドの子供の祝い事のひとつだ。男子が様々な困難に打ち勝って大成する立身出世の象徴として飾られる」
「ふーん…って、ウチでは飾らないのか?」
「ホド流だって言っただろうが。父上はあまりマルクトの流儀がお好きではないからな」
「へー、ホドってマルクトの領土なんだ」
素直に感心した声をあげたルークに、ぴくりとアッシュの眉が片方だけ跳ねあがる。
「んなこたあ常識だろうが。というか、ガイの奴がホドの出身だろうがっ!」
「あれ?そうだったっけ……?」
えへへ、と笑いながらこりこりと頬を掻くルークに、アッシュの眉間の皺がさらに深くなる。
「……明日の勉強時間は一時間増やす」
「えーっ!」
「るせえっ!ちょっとはまともに勉強しろっ!」
怒声と共に拳骨をはられて、ルークは頭を抱えたままちいさく呻いた。
「だって、地理の勉強なんていらねえじゃねえか」
「一般常識だ」
「だって俺、この屋敷から出られないのに国の位置なんか覚えたってしかたねーじゃねえか」
ぼそりと呟かれたルークの言葉に、アッシュはかすかに目を細めた。
「……それでも、いつかは役に立つんだから覚えておけ」
「んだよ、アッシュもガイもいつもそればっかりだ」
つまんねーの、とルークは大きくしっぽを振ると屋根の上に危なげなく立ち上がった。そしてそのまま屋根の端まで軽い足音をたてて走ってゆくと、ルークは本物の猫さながらに身軽にそこから飛び降りて行ってしまった。
アッシュは視界からルークの上着の長い裾が消えるのを見送ると、先ほどよりも重い溜め息をひとつ漏らして膝の上に広げていた本を閉じた。
アッシュとルークは表向き兄弟として暮らしているが、本当は少し違う。
ルークはアッシュの遺伝情報を元に作られた、人工生命体──レプリカなのだ。
自分がアッシュのレプリカであることは、ルークも知っている。だが、自分が作られた目的については、ルークは本当のことを知らない。
アッシュは、生まれながらに神の印を持たない異能者だった。
超振動と言われるその力は破壊力に秀でた力で、強力な兵器として丁重に扱われると同時に、その力の暴走を恐れられてもいた。
その不安はアッシュが長じてさらに力が巨大になるにつれ増大し、ついには万が一力が暴走した場合のストッパーの必要性を、王国の重臣たちに促すほどになっていた。
そして作られたのが、ルークだった。
アッシュの遺伝子情報を元にして作られたルークは、劣化してはいたがアッシュと同じ力を持ち、かつ、神の印を宿した能力者でもあった。
表向きには、ルークのことはアッシュの双子の弟で、体が弱いために今までその存在を公表していなかったとされている。
アッシュには、ルークはいざという時の影武者であると告げられていたが、もちろんそれが嘘であることを彼はすでに知っている。
はじめはもちろん、勝手に作られた自分のレプリカなどすぐに壊してしまおうと思っていたのだが、すぐに気が変わった。
生まれたばかりのレプリカの、幼い子供のような天真爛漫さと素直さに毒気を抜かれたと同時に、理不尽に生み出されたその命が哀れに思えたのだ。
自分を殺すために作られた子供を愛しいと思うのは、なかなかに倒錯的な思いだった。
しかし側にいればいるほど愛しさはつのり、無邪気に懐いてくるその姿に、強い庇護欲をかき立てられるばかりで。
いつの間にか、誰よりも大切な半身として自分の心の中に住み着いてしまった彼を、救いたいと強く思うようになっていた。
いざというときの切り札として、ルークは外に出ることを許されず屋敷の中だけで育てられている。
表向きには体が弱いことになっているので屋敷から出されないことは奇異には思われておらず、またルーク自身にも作られたときの刷り込みで、外に出ない事への疑問を感じさせないように仕向けられている。
だからアッシュはいま、ひそかに自分の牙を研ぎ澄ませることに専念している。
すべてのものからルークを攫ってゆくためには、わずかな時間でも惜しい。
「それで逃げられていては、元も子もないんだがな……」
先ほどまで読みかけていた本の表紙を軽く叩きながら、アッシュは小さく唇の端を歪めた。
ルークがいなければ屋根の上などに、用事はない。しばらくは拗ねているだろうから、一度部屋に戻ってから探しに行くかなどと次の行動を頭に描いていたアッシュは、屋根の下から自分を呼ぶ声に気がついて下を覗き込んだ。
屋根の下では、白い大きな耳と朱色のコントラストが鮮やかなルークと、白金色の彼よりも年かさの青年がそろってこちらを見上げていた。
「アッシュっ、早く下りてこいよ!ガイが『こどもの日』のお菓子を作ってくれたって!」
先ほどまでむくれていたはずの猫が、ころりと機嫌を直してぱたぱたと嬉しそうにしっぽを振っている。
その横で、ガイが苦笑しながらもそんなルークが可愛くて仕方がないと言った顔で、目を細めている。
「早く来ないと先に食っちまうぞ」
小さく舌を出してぱたぱたと駆けてゆくルークに、こちらを苦笑しながら一度見上げたガイが後に続く。その口が、早く降りてこいと声もなく動くのを見て、アッシュはかすかに唇のはしに笑みを刻んだ。
そんなことを言いながらも、自分が行かなければルークは決して手をつけないのだ。
アッシュは屋根の上から飛び降りるために足場を確認しながら、ふと屋根から見えるいくつかの鯉のぼりに目をとめた。
本物の魚を見たことのないルークにとって、空を泳ぐのぼりも絵の中の魚もさして変わらない存在なのかもしれない。
世界を知らない小さな猫に、いつか本物の世界を見せてやりたい。
ひらひらと風に舞う空の魚を見つめながら、アッシュはそうあらためて誓った。
END
(07/06/12)
ネコミミなんだけど、なんか違う。